麻痺側上肢を生活内で使う工夫 ~袖をまくる動作~
麻痺手で袖をまくる動作を行う上でのポイント
スタッフの石川です。
機能低下の程度によりますが、麻痺が重度の方にとって、麻痺側の手は生活の中でなかなか参加させることが難しい・・・という現実は、沢山の方と関わらせていただく中で重々承知しております。
しかし一方で、前向きになんとか参加させようと試み、そうした中での成功例を多数みさせていただいていることも、また事実としてあります。
今回は、「袖をまくる」という生活動作の中で、麻痺側の手の使用を工夫して試みている方の一例を紹介させていただきます。
写真のように、麻痺側の指先を袖に引っ掛けるようにし、非麻痺側の腕を動かしつつ少しずつ袖をまくっていく、という工程となります。
機能的な部分について補足すると、
・肩を少し前方に挙げるための関節可動域が保たれている
・不随意的に指が少し曲がるという動きが生じる(屈曲の痙縮がある)
・随意的に集団屈曲の動きが少しできる
上記に当てはまる方であれば、同様の動きが行える可能性があります。
ポイントとしては、麻痺側で「引き上げる」という意識ではなく、麻痺手で押さえて非麻痺側の腕を「動かす」という意識で行うことになります。
手の機能においては個人差があると思いますので、やりやすい、やりづらい等あるかもしれません。
少しのポイントや意識の向け方で動作がし易くなるケースはあります。
実際に同じような悩みを抱えている方に何かのヒントとなれば幸いです。
保険外リハビリ施設PIECEsでは、脳卒中等の後遺症に悩まれる方を対象に自費リハビリを提供しています。
もし、体の動きをみてほしい、生活動作で使える可能性について検討したいなど、ご希望がありましたらお気軽にスタッフまで申し出ください。