【リハビリ】「サルコペニアチェック」の検証

2023/10/19

スタッフの石川です。

今回は、「サルコペニア」について、簡単にお伝えできればと思います。
サルコペニアとは、筋肉量減少や筋力低下のことを総称して呼ばれます。


前回お伝えした「フレイル」の主な要因となっており、加齢性によるもの、活動量低下によるもの、疾患に関連するもの、栄養に関するものなどに分類されます。


AWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)2019で発表された診断基準¹では、以下のようになっております。

<一般の診療所や地域で評価する場合>
・下腿周囲長(男性34㎝未満、女性33㎝未満)
・SARCーF 4点以上
・SARC―CalF 11点以上

それらが低値だった場合に、
・握力(男性28㎏未満、女性18㎏未満)
・5回椅子立ち上がりテスト(12秒以上)

のいずれかが低下している場合に、「サルコペニアの可能性あり」という診断が可能。

SARC―F日本語版²の5つの質問は以下となり、これらの合計点数が4点以上がサルコペニア疑いとされます。

4.5㎏くらいのものを持ち上げたり運んだりするのはどのくらいむずかしいですか?
 まったく難しくない=0、いくらか難しい=1、とても難しい・またはできない=2

部屋の中を歩くことはどのくらいむずかしいですか?
 まったく難しくない=0、いくらか難しい=1、とても難しい・杖などが必要・またはできない=2

③ベッドやイスから立ち上がることはどのくらいむずかしいですか?
 まったく難しくない=0、いくらか難しい=1、とても難しい・または介助が必要=2

10段くらいの階段をのぼることはどのくらいむずかしいですか?
 まったく難しくない=0、いくらか難しい=1、とても難しい・またはできない=2

過去1年間に何回程度転びましたか?
 まったくない=0、1から3回=1、4回以上=2

また、SARC―CalFとは、SARC―Fの質問に下腿周囲長(男性34㎝未満、女性33㎝未満に当てはまる場合+10点、当てはまらない場合0点)を加えた評価のことであり、合計点数11点以上がサルコペニア疑いとされます。

実際に、私の下腿周径(最大部)を測定すると、





左36.0㎝、右35.5㎝でした。

これ以上筋肉量が低下しないよう、さらなる運動習慣の継続が必要な状況ですね。



<設備の整った種々の医療施設や研究を目的とした評価をする場合>

さらに詳しく診断していくとなると、

筋力
・握力(男性28㎏未満、女性18㎏未満)

身体機能(以下のいずれか)
・6m歩行テスト(1m/秒未満)
・5回椅子立ち上がりテスト(12秒以上)
・SPPB(Short Physical Performance Battery: 9点以下)

骨格筋量
・DXA(二重エネルギーX線吸収法:男性7.0㎏/㎡未満、女性5.4㎏/㎡未満)
・BIA(バイオインピーダンス法:男性7.0㎏/㎡未満、女性5.7㎏/㎡未満)

これらを行い、サルコペニアおよび重度サルコペニアかの判断となります。

当施設では、一般の診療所や地域で評価する方法が行えますので、やってみたい方や心配という方は、ぜひともお気軽にお声掛けください。

PIECEsでは、脳卒中等の後遺症に悩まれる方を対象に自費リハビリを提供しています。
お困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください

参考文献
1)Chen LK, Woo J, et al.: Asian Working Group for Sarcopenia:2019 Consensus Update on Sarcopenia Diagnosis and Treatment. J Am Med Dir Assoc. 2020; 21: 300-307
2)解良武士, 河合恒, 大渕修一: SARC-F; サルコペニアのスクリーニングツール. 日本老年医学会雑誌. 2019; 56: 227-233.

 

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